フリーダイヤルは携帯からでも利用できる?転送方法やスマホで利用する方法を解説

多くの企業が、顧客からの問い合わせ窓口やコールセンターなどで採用しているのが、フリーダイヤル番号です。
フリーダイヤル番号は、着信側が料金を支払うシステムのため、顧客が料金を支払う必要がありません。そのため、心理的に電話をかけてもらいやすく、企業のイメージアップにつながるのが特徴です。
このフリーダイヤル番号をスマートフォンで利用できるようにする方法をご存じでしょうか。本記事では、フリーダイヤルをスマホで利用する方法について詳しくご紹介します。
フリーダイヤルは基本的に携帯から利用できない
一般的にフリーダイヤルは、着信側では固定電話を使って対応が行われます。また番号も固定電話に紐付けられているため、通常はスマホからフリーダイヤルで発信することはできません。そのため例えば、外回りの業務が多い職種の場合、フリーダイヤルを保有していても、出先で利用することはできません。
しかし、全くスマホから利用できないというわけではありません。本記事では以下の2つの方法についてご紹介します。
・フリーダイヤルへの着信をスマートフォンへ転送する
・クラウドPBXを利用する
方法①フリーダイヤルへの着信をスマートフォンへ転送する
基本的に、通常の電話回線では、スマホから発信することはできませんが、かかってきた電話をスマホに転送することは可能です。その代表的な方法が「ボイスワープ機能」です。
ボイスワープ機能とは、事務所にかかってきた電話を、指定した電話番号に転送してくれるサービスです。不在の際にかかってきた電話を転送してくれるので、ビジネスチャンスを逃しません。ボイスワープ機能は、転送元の電話を呼び出さすことなくすぐに転送する「無条件転送」と、転送元の電話を呼び出し、応答がないと転送する「無応答時転送」などの機能が備わっています。また外出先の電話機からも、転送の開始や・停止、転送先の変更などを行うことが可能です。主に以下のサービスがあります。
・自動転送
無条件転送と無応答時転送の設定が可能です。無応答時転送では、転送元のベルが鳴っている間に電話を取れば、伝送元で通話することができます。
・リモートコントロール
外出先から、リモートコントロールを使って転送の開始・停止、転送先の変更が可能です。転送先は、あらかじめ登録してある電話番号の中で変更できます。またFAXの転送も設定できます。
・音声ガイダンス
転送時には音声ガイダンスを流し、転送元の電話番号を知らせてくれる機能です。電話をかけてきた人は、現在転送中であることが分かるので、不安になりません。電話の発信者から転送元までの通話料金は、発信者の負担になります。それ以降、転送元から転送先までの通話料金は契約者の負担です。
転送を利用するデメリット
ボイスワープ機能を使うことでスマホでもフリーダイヤルの着信が可能になるものの、いくつかのデメリットもあります。具体的には次の3点です。
コストがかかる
ボイスワープ機能は、NTTが提供するサービスで、利用に費用がかかります。転送の種類は転送元の電話を呼び出すことなく転送を行う「無条件転送」、転送元の電話を呼び出し応答がなかった場合にのみ転送する「無応答時転送」の2つです。それぞれ、契約対象となる回線により、次の費用がかかります。
- ひかり電話ボイスワープ
ひかり電話ボイスワープの料金は、ひかり電話のオプションサービスで月550円(ひかり電話1電話番号ごと)です。また、工事費として3,300円(基本工事費2,200円+交換機などの工事費1,100円)かかります。
- 加入電話のボイスワープ
現在加入している電話でボイスワープを利用する場合で、住宅用は月550円、事務用は月880円です。工事費用はかかりません。
全ての着信が1つの電話番号に転送されてしまう
ボイスワープ機能で転送先として設定できるのは1つの電話番号のみです。そのため、例えばあるスマホに対して転送を設定した場合、フリーダイヤルへの全ての着信は設定したスマホに転送されることになります。
スマホへ転送する設定にしたまま社員が外部へ持ち出した場合、フリーダイヤルの着信を社内で受け取れなくなるのは大きなデメリットです。
どちらへの着信なのか区別できなくなる
ボイスワープ機能を使うには、固定電話番号が必ず必要になりますが、フリーダイヤル宛の着信とフリーダイヤル用に登録した固定電話番号を区別できません。
フリーダイヤル番号に社内の固定番号を紐づけていると、社内の固定電話番号宛にかかってきた電話も全てスマホの方へ転送されます。もし他の業務でも使っている固定電話を使う場合は注意が必要です。
方法②クラウドPBXを利用する
クラウドPBXとは、従来、オンプレミス型PBXであったビジネスフォンの仕組みをクラウド環境に置き換えたサービスです。クラウド型のため、会社に主装置を設置する必要がなく、電話以外にスマホやパソコンとインターネット回線での相互接続でビジネスフォン同様の機能が使えます。
クラウドPBXはサービスにもよって対応可否は異なりますが、フリーダイヤルの発着信が可能です。クラウドPBXなので、固定電話はもちろんスマホでもフリーダイヤルを利用できるようになります。外出中やテレワーク中などオフィス外にいてもフリーダイヤル電話の対応が可能になるため、担当者はより柔軟な働き方が可能になります。
クラウドPBXのサービスによっては、ナンバーポータビリティを利用すれば、現在使用している電話番号をそのまま利用することも可能です。
クラウドPBXがおすすめの理由
クラウドPBXをおすすめする主な理由は、従来のビジネスフォンのように拠点ごとに主装置を設置する必要がなくコストを抑えられる点にあります。新たに電話設備の設置や撤去をしなくて済むため、新規事業の立ち上げ、事務所移転などに柔軟な対応も可能です。
また、スマホを有効活用できることも大きなメリットです。スマホを内線電話として使う、スマホへ電話を転送するなどができるため、特に営業で外出が多い職種に適しています。
さらに、テレワークで受付業務をしたい場合にもクラウドPBXがおすすめです。クラウドPBXはインターネット回線を利用するため、どこでも電話が利用できるようになります。そのため、テレワーク業務で利用したい場合にも適しています。パソコンやスマホに設定すれば、自宅でも電話業務を行えます。
クラウドPBXは電話工事不要なので、設置工事なしで導入が可能です。規模によっては数日あれば導入できるため、できるだけ早くフリーダイヤル窓口を設置したい企業にも向いているでしょう。また不要になった際の撤去も簡単なので、期間限定の窓口設置にもおすすめです。
クラウドPBXでフリーダイヤル番号を取得する方法
クラウドPBXでフリーダイヤル番号を取得するには、サービスを提供する会社に電話もしくはWebで申込を行います。クラウドPBXはインターネット回線を利用するため、電話工事の必要はありません。そのため、申込後、数日から1週間程度で利用を開始できます。
また、携帯電話でクラウドPBXを利用したい場合は、手持ちのスマートフォンにアプリをインストールするだけで利用可能です。とにかく早くフリーダイヤルを利用したい方は、スマートフォンのアプリを使うことをおすすめします。
現在利用している電話番号を変更することなく、クラウドPBXを使いたい場合はナンバーポータビリティの利用がおすすめです。
サービス提供会社にもよるものの、ナンバーポータビリティを使えば、現在使用している電話番号を引継ぎそのまま利用できます。業務の都合上、どうしても現在の番号を継続して使いたい場合は、ナンバーポータビリティを提供しているサービスを選択しましょう。
さまざまなシーンで便利!クラウドPBXを利用するメリット
クラウドPBXは携帯電話からフリーダイヤルを使えるだけでなく、さまざまなメリットがあります。ここでは、クラウドPBXを利用するメリットをご紹介します。
携帯から発着信できる
クラウドPBXを利用すれば、スマホからフリーダイヤルを利用することができます。従来の
電話回線は固定電話のみでしたが、クラウドPBXならインターネット回線を利用するため、携帯電話からでも利用可能です。外出先でも顧客の電話に対応できるようになるので、オフィスに電話対応のための社員を雇用するコストを抑えたい企業にもおすすめです。
さらに、スマホでフリーダイヤル番号を利用できるのも大きなメリットです。通常、スマホを利用する場合、相手側に表示されるのがスマホの電話番号になります。携帯電話番号だと、誰か分からず電話を取ってもらえない場合もあります。フリーダイヤル番号を利用できるようになれば、相手側にも安心感を与えられます。
コスト削減が期待できる
フリーダイヤルをスマホで受発信できるようになれば、通話コストの大幅な削減が期待できます。通常のフリーダイヤルの料金は以下の通りです。
なお、掲載しているのはいずれもNTTコミュニケーションズのフリーダイヤルを利用した場合の料金です。
通話料(一般回線でフリーダイヤルを契約した場合)
通話料金(全国一律) | 3分(180秒)あたりの通話料金 | |
一般回線など固定端末から着信 (NTTコミュニケーションズの050IP電話・IPVoice回線(050番号帯)、他社の050IP電話含む) |
8.5円(税込9.35円)/180秒 | 8.5円(税込9.35円) |
携帯電話から着信 (衛星携帯・自動車電話、衛星船舶電話含む) |
10円(税込11円)/20秒 | 90円(税込99円) |
公衆電話から着信 | 30円(税込33円)/60秒 | 90円(税込99円) |
参考:https://www.ntt.com/business/services/voice-video/freedial-navidial/freedial/price.html
これを、クラウドPBXにすることで、以下の料金で利用できます。
・固定電話からの着信:3分8円
・携帯電話からの着信:1分17円(ナイセンクラウドの場合)
一般的な転送サービスを利用する場合は転送料金がかかりますが、それも不要です。また、スマホを有効活用すれば、コストパフォーマンス向上も期待できるでしょう。たとえば、Wi-Fiなどを使いスマホを子機として利用できれば、テレワーク中の社員も無料通話が可能です。さらに、クラウドPBXなら個人のスマホを利用している場合でも、社員が料金を払う必要がありません。
また、クラウドPBXはインターネットがつながる場所であればどこでも利用できるため、Wi-Fiがない場所でも、スマホの4G/5G回線があれば電話として使用できます。そのため、ビジネスチャンスを逃すことがなくなるでしょう。
内線が利用できる
クラウドPBXなら、アプリをインストールした携帯電話同士は、通話無料の内線扱いになります。そのため、外出中の社員に電話を取り次ぐ場合でも、無料で行えるようになります。
また、社員間のコミュニケーションが取りやすくなるのもメリットです。たとえば、営業マンが多い企業の場合、外出している社員が多いと、社員間のコミュニケーションにかかる通話コストが高くなってしまいます。クラウドPBXなら、こうした社員間の通話料をゼロにできます。
携帯からフリーダイヤルを使うならナイセンクラウド
ナイセンクラウドは、パソコン、電話機、スマホなどにも対応しており、既にお手元にある端末を活用してご利用いただけるクラウドPBXです。03や06などの全国の市外局番はもちろん、050番号や0120・0800のフリーダイヤルに対応しています。
詳しい機能については次の動画やサービスサイトをご覧ください。
▼1分でわかるナイセンクラウド
プランは3つあり、内線数に応じて金額が変わります。内線数が多い場合はお得な割引もございます。詳しい料金は自動見積りや個別見積りでご確認ください。
また、2台のスマホでフリーダイヤルを利用することに特化した「スマフリ」もございます。ナイセンクラウドの機能を小規模に導入できるスマフリを先に導入してみて、使い勝手や機能を確認したのちにナイセンクラウドに切り替えることも可能です。
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携帯からフリーダイヤルを使うならクラウドPBXがおすすめ
フリーダイヤルは、着信側に料金がかかる仕組みのため、問い合わせ窓口や通販の受注窓口などで利用されています。発信側は無料で利用できるため、顧客が電話をかけるハードルを下げる効果が期待できます。通常、携帯電話からフリーダイヤルの発着信はできませんが、クラウドPBXなら、コストを下げつつフリーダイヤルを利用できます。スマホでも利用できるようになるため、業務効率化、利便性向上が期待できます。フリーダイヤルの導入を検討しているなら、同時にクラウドPBXの導入も検討してみてはいかがでしょうか。